美しさを探して

美しい自然、美しい造形、美しい行為、美しい日本を探し求めて・・・

受賞して考えた事

ある美術団体で受賞した。
その会からの要望で寄稿した原稿を転載します。



 東京都議会議長賞を受賞し、ありがたく、素直に嬉しく思います。
しかし、日頃「賞」など無関心であれと公言している自分に自己矛盾が生じました。
その感情とこの主張の差にどう折り合いをつければいいのか考えてしまいました。
 昔、管理者養成講座で習った「マズローの欲求の5段階」の論理に助けを借りて整理しました。
人間の欲求には5段階あり、その第1が生理的欲求、第2が安全への欲求、
第3が社会的帰属への欲求、第4は尊敬への欲求、第5が自己実現の欲求。
(これらの5ツのカテゴリーは独立している訳でなく、有機的に絡まっています)
賞を頂戴して嬉しいと感ずるのは第4の「尊敬への欲求」が満たされるからと考えられます。
このステージは鑑賞者、審査員、製作者の人が関わる社会的世俗的関係の中で成立しているものです。
制作活動の最終目標は、上下、我他此彼と言う対立軸関係とは別の小我の世界にあると思います。
我がままな小さな自己でも探求し突き詰めれば、それは普遍的な美や真に繋がって行くと信じています。
これが第5が自己実現の欲求です。
 私の立つ軸足は取るに足らない自分でもその「自己実現」にあり、そこに想い定めていくつもりです。
芸術は順位を競う競技ではない。ナンバーワンをではなく、オンリーワンを目指します。
展覧会と言う土俵はオンリーワンを目指す自己鍛錬の場と位置づけ自分と戦っていきます。
多くの方々に観て頂き批評、評価の中で客観的なご意見を成長の肥やしとさせて頂きます。
 これからも皆様方のご指導を頂けますようお願い申し上げます。